NHK、南アフリカへの謝罪はなしですか? | 空の続きはアフリカ
<< NHK BS1国際報道(2020年4月30日放送分)への抗議 | main | 「プロサバンナ中止」、ご存じでしたか? >>
NHK、南アフリカへの謝罪はなしですか?

【2020.06.12 Friday 00:12

『これでわかった!世界のいま』と『国際報道』での黒人差別


日本には差別がない、と思っている人たちにとって、差別とは、あるいは差別を見たときにどうするか、という命題に向き合う絶好の機会が巡ってきたように思います。

 

私が住む南アフリカは、人種隔離政策という、人々を人種で差別し、ありとあらゆる面で「白人」でない、という事実だけでそれ以外の人々を抑圧してきた歴史を持つ国です。全人種参加の選挙(1994年)から26年経った現在でも、まだまだ完全に社会が平等になったわけではありません。

 

が、現在南アフリカに住む多くの人間が、「差別はある、が、差別はいけない」と肝に銘じて生活しています。もちろん、中には「アパルトヘイト時代の方がよかった」とか、「人種間には深い溝があって、それを埋めることはできない」と否定的な意見を持つ人もいます。

 

しかし、差別はあってはいけないのです。

 

私にとり「差別と向き合う」とは、まず、そこにある、自分の中にもある「差別」をしっかり認識すること。そしてそれを絶対に許容しないためにその理由なり原因なりを学ぶこと。そして、目の前にある「差別」を目撃したら、行動を起こし、意見を集約させ、その差別を是正させるよう行動しなくてはいけない、と考えます。

 

NHK総合テレビの番組「これでわかった!世界のいま」のツイッターに掲載した CG アニメーションに対し、6月7日放映された直後より、多くの人々がその黒人の描き方に抗議しました。

 

Quote Tweet
 
MASAHITO SATO    

@MASAHITOSATO1
· Jun 9
このアニメを見た人、これから見る人へ。 なぜこんなしゃべり方になるのか。どうして筋肉もりもりなのか。 これが偏見というものです。これこそが差別というものです。 「自分たちの責任でしょ」 そう思いますか。こんな動画だからそう思う人が出てくるんです。 #NHK差別助長やめろ #NHKStopRacistSkit twitter.com/nhk_sekaima/st…

https://twitter.com/MASAHITOSATO1/status/1270159013297164288

 

多くの人が憤っている理由は、「黒人」というステレオタイプでCG作成をすることに何の反省もないからです。私も自分のTwitterでこう不満を伝えました。

 

例えば日本を描写するときに、いわゆる崩れた着付けの芸者姿に頭にお箸をずっぷり刺した絵を見たら、どう思う?日本人だから、もちろん、キョエーって言いながら、空手キックしながらね。そういうこと。恥を知れ、NHK。
https://twitter.com/minekoyoshimura/status/1270219222141022209

 

在日本米国臨時大使ジョセフ・ヤング氏までがTwitterで、その内容を「侮辱的で無神経」とまで酷評しました。

 

そうすると、NHKの対応は以下のリンクで謝罪文を掲載し、Twitterの問題CGアニメを削除し、6月9日の19時のニュースでも時間を割いて謝罪しました。

 

https://www.nhk.or.jp/program/sekaima/sekainoima_doganitsuite.pdf

 

しかし、この一連の謝罪に誠意を感じられないのは、「掲載にあたっての配慮が欠け、不快な思いをされた方にお詫びいたします」という態度です。根本的な問題がNHK内で理解されていない、と考えます。人々が怒りをもって抗議しているのは、記事によって不快な思いをしたからではないのです。


人々を個人個人の別人格として尊重する、という認識がNHK内で共有されていたら、「黒人」というだけで、いわゆる、人々が漠然と持っているイメージを押し付けるようなこともないでしょう。

 

以下の記事は、『国際報道2020』の中で取り上げられた南アフリカのニュースで見過ごすことのできない部分があったため、抗議のためにこのブログに前回アップしたものです。NHKのBSの放送で、たった数分のことですが、なぜ、NHKという組織が間違った情報を流すのか。「アフリカ」という地域にかかる不必要な差別や偏見を促す姿勢は看過できない、と強く思いました。


http://yoshimura-mineko.sorairoan.com/?month=202005


この記事を発表してすぐ、南アフリカに関係する日本人、日本語を話すコミュニティから、「この報道をこのままにしておいてはいけない」という声が上がり、アフリカ日本協議(JAF)の理事である津山直子さんが中心となり、ZOOMを使って、緊急のセミナーも開かれました。


以下のリンクで当日のまとめがご覧いただけます。

 

http://ajf.gr.jp/report-webinar-06may20/?fbclid=IwAR24efX9TlcQzuLq9YqfKly72JLoatcvhtrSF-kj8n6WZnY3bkiYZmfKyM4

 

参加者は全員が、南アフリカを大事に思い、南アを意図的に貶めるような報道に関し、その報道姿勢を正して欲しい、と願う人ばかりです。

 

上記の私の記事は外務省でも共有されたようです。また、これを英語にして、在日本南アフリカ大使館にも詳細を説明させていただいております。

 

この記事を発表したのは、5月3日です。NHKには正式に抗議の文章を送っていますが、6月11日現在に至るまで、一切返事がありません。

 

NHKが真に国際的な報道を目指すのであれば、こういった声を無視するのは得策とは思えません。NHKと別府特派員、国際報道の担当者全員の猛反省を強く求めます。
 

author : y-mineko
| 大切なこと | comments(1) |

この記事に関するコメント
管理者の承認待ちコメントです。
| - | 2020/06/23 1:01 PM |
コメントする










吉村 峰子
writer
English & Japanese
language instructor
interpreter
(Japanese - English)