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David Waines のために署名をお願いします

【2014.07.31 Thursday 05:09
「アフリカは危険ではないんですか?」

と、私はよく聞かれます。

10代だった子ども二人を連れて、日本から南アフリカに移住した私たちに、アフリカを知らない多くの人たちは、心の中で

「何を好きこのんで、日本からアフリカに?」

と言ったニュアンスを含ませながら、この質問を私に聞いてくるのです。

「アフリカ全部が危険なのではないと思います。でも、底知れない“恐ろしさ”というのは、あるかもしれません」

と今日の私は答えます。

それでは、この“底知れない恐ろしさ”とは何なのでしょうか。

この“恐ろしさ”とは、単純にアフリカに行ったから、生活したから、といって全員が体験するものはでもありません。それこそ、数年程度の駐在員生活では、こういったことを意識もせずに日々を送り祖国に戻る人もいるでしょう。

1986年からアフリカで暮し始め約30年近くの歳月が経とうとしている2014年7月30日現在の私は、このアフリカの、“底知れない恐ろしさ”をかみ締めています。

カナダ人、David Wainesは、亡き夫、吉村稔のリベリアでの一番の親友でした。

Davidは、キリスト教の宣教師です。しかし彼は、いわゆるアフリカで多く見受けられる、「キリスト教だけが世界を救う宗教だ」というような考え方を持ちません。

その証拠に、と言っては少し的外れなのかもしれませんが、非キリスト教徒である稔も私も、彼からは一度もキリスト教に改宗するような誘いを受けたことがありません。彼は、私たちの宗教に対する考え方をきっちりと尊重してくれていたのです。

Davidは、とにかくその破天荒な性格と行動で、カナダ人版の吉村稔のようでした。だからこそ、あんなにも気があったのでしょう。

彼の破天荒なエピソードを一つだけご紹介しましょう。

それは彼がまだ20代前半の頃、ソビエト、と呼ばれていた現在のロシア経由のエアロフロートでヨーロッパに旅行しました。皆さんはKGBという組織のことを聞いたことがあるでしょうか。それこそ、プーチン大統領こそいませんでしたが、その頃のソビエトは、がちがちの共産主義国でした。そこでは、反体制の人間などは今よりももっと過酷に激しく規制され、国家権力によって、闇から闇へと葬り去られる人間は数え切れないくらいいたのです。

その強権国家ぶりは世界的に有名でしたから、モスクワ経由のエアロフロートでのヨーロッパ路線がいかに安くても、西側の多くの人間はそれを避けたものでした。

Davidが強烈なのは、そういったソビエトの体制さえも、なんのその!といった根性です。エアロフロートの旅客は、乗り継ぎ地のモスクワで、厳戒態勢のもと市内のホテルへ移動させられます。“ホテル外への外出厳禁”という絶対条件付きで。

でも、そういうことを理由なしで告げられると、「絶対何とか外出して、ローカルな酒場でウォッカでも飲んでこよう」と考えるのがDavidです。

厳戒態勢が引かれているにも関わらず、ホテルの非常階段からホテルを抜け出し、一人も好くわの夜の街に出て行ったのでした。でも、これが発覚し、見張りに付いていた警備兵が卒倒しそうになったそうです。こんなことが上層部に知れたら、彼はきっと降格どころか、もっとひどい処分を受けたでしょう。

夜も更けて、ウォッカをローカルなバーで楽しく飲んでホテルに戻ってきたDavidは、それこそ20人くらいの警備兵が血なまこで彼を探している様子が分かったそうです。

「で、ど、どうしたの???」

と、話を聞いていた私たちの質問に、Davidはこう答えました。

「ははは、彼らにね、Good Eveningと言って、部屋に戻っただけだよ。だって、僕がいなくなって困るのは彼らだからね!」
これが若かりし頃のDavid Wainesです。

彼は、Audryという非常に聡明で落ち着いた看護士の妻にめぐり会い、二人でEquip というキリスト教系のNGOのリベリア事務所代表として働いていました。彼らの主な活動は、リベリア人の健康状態を向上させるためのものでした。リベリアの内戦で私たちを含む多くの援助関係者がリベリアを後にする中、彼らは自分たちでも難民になりながら、ずっとリベリア人とともに過去25年彼らの人生をささげてきたのです。

その彼が2013年の11月以来、無実の罪でリベリアの刑務所に拘留されています。裁判も何も開かれていません。

彼の“罪”は、10代のリベリア人女性を妊娠させた、というものでした。

が、この女性は2014年2月に男児を出生し、その赤ちゃんがどう見ても黒人系の両親を持つことが明白な事実にも関わらず、未だにDavidは自由を奪われ、不衛生極まる首都モンロビアの刑務所に閉じ込められているのです。

Davidの健康状態は日一日と悪化しており、一日も早く釈放され、加療が必要です。

リベリアではいま、エボラ熱が猛威をふるい、健康な人でも感染の危険にさらされています。健康状態が最悪のDavidの安全が脅かされています。リベリアの刑務所の衛生状態は最悪です。Davidによると彼の周りの多くの人間が彼のように無実の罪で獄中にあるようで、その状態は悪夢を通り越しています。

「無実の人間が不当に国家権力により自由を奪われている」という恐ろしさ。

これがいま、2014年7月31日現在、リベリアの首都モンロビアで起きている現実です。

皆様、どうぞお力をお借しください。以下のキャンペーンに署名していただけますでしょうか?このサイトは危しいサイトではありません。Emailのアドレスとお名前、そして住んでいる街の名前を記入していただけますか?現在の目標は2500名ですが、多ければ多いほどよいようです。

アフリカは多くの魅力に富んだ素晴らしい大陸です。

私は自分の選択、南アを永住の地に選んだ事、を後悔したことはありません。が、“底知れない恐ろしさ”が存在することもまた事実です。

それとどう付き合っていくか、ということをじっくり考えています。

が、今は、とにかく一人も多くの方にDavidのことを知ってもらい、彼が釈放されるための一助となるよう努力することが、私の最優先にしたいことなのです。

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このサイトからキャンペーンに署名をお願いします。
http://www.change.org/ja/%E3%82%AD%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%83%B3/president-ellen-johnson-sirleaf-liberate-david-waines?utm_medium=email&utm_source=notification&utm_campaign=new_petition_recruit#share

DavidのVIDEO(英語)があります。
http://vimeo.com/87153890
 
author : y-mineko
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吉村 峰子
writer
English & Japanese
language instructor
interpreter
(Japanese - English)