南アフリカで入院し、手術を受けるということ | 空の続きはアフリカ
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南アフリカで入院し、手術を受けるということ

【2014.04.20 Sunday 04:04
去年の暮、何年かぶりで婦人科の検診を受けました。

何年かのサボりのツケは、“子宮けいガン”の疑い、との告知でした。でも、数値はそう劇的に悪いものではなかったようで、主治医は、「三ヶ月ほど時間を置いて再検査しましょう」とのことでした。

そこで、年が明け、結婚式などのためにダーバンを一ヶ月ほど離れる前に再検査を受けました。

旅行中にこのことを考えるのは嫌だなあ、とも思ったのですが、案の定、そんなことは一回も思い出さずに予定通り旅行を終えました。

そして、結果を聞いたのは、ダーバンに戻ってきた次の日でした。私の携帯電話に主治医から何回か電話連絡が入っていたのでした。

主治医は、二回とも同じ数値で、異常値なので、専門医の元でもっと詳しく検査を受けたほうがいい、との意見。

早速、予約を入れてもらい、4月の第二週の月曜日、私の住む地域の”Hillcrest Private Hospital”といういかにもお金のかかりそうな病院で、婦人科の専門医の診察を受けました。

すると、超音波などで診断してもらった後、専門医からこういわれました。

「子宮けいガンのPre Cancer ステージです。私の手術日は水曜日なので、今週、時間を取りますからすぐ切除しましょう」

診断が月曜日、手術がその二日後の水曜日に決まりました。

私の住んでいる地域は、ダーバンでは高級住宅地の範疇に入り、裕福な家庭が多いのです。実は、私は歯医者などは20分ほど離れた近隣の町にわざわざ出向きます。だって、同じ治療をしてもらって、費用が三倍も違うのです。

南アの健康保険は、日本のそれと違い、米国のように個人保険に自分で加入します。これは、南アの場合、かなりの数の会社の選択肢があり、どこを選んでいいかは素人ではなかなか判断しにくいのです。

私と私の家族は、知り合いでもある保険のブローカーに勧められるまま、Medsheildという南アでは中堅の会社の保険会社が提供しているプランの上から三番目くらいの保障の、Mediplusというプランに加入していて、結構満足しています。

この保険は、メインのメンバーの費用が約1万8千円程度で、娘はまだ学生なので、扶養家族(子ども)として約5千円ほどです。

このプランに何が含まれるかと言うと、GPと呼ばれる一般医の診察が年11回、歯科治療は保険治療であれば全額、親知らずなどは承認が必要ですが、無料で抜歯してもらえます。慢性病がある場合は、登録を医者にしてもらえば、その薬代と慢性病のための医師の診察は年二回が範囲内。その他、妊娠とかHIVとか、いろいろ含まれるものは結構広範囲にカバーされていて、なかなかいい保険に入っていると思っていました。

また、私のこのプランは入院に際しては、Unlimited、制限なし、ということだったので、安心していました。でも、ここに落とし穴があったのです。このUnlimitedは、保険診療金額以内の、という制限があったのです。

これが、保険と保険を超える、“差額費用”の存在でした。

南アの医療関係者は、自分の裁量で、自分の費用をこの保険内の金額か、あるいは最高300%まで患者に請求できるのです。

以前も手術をしたことがあるのですが、それは夫が生きていたころで、きっとその処置は彼がしてくれたのでしょうか?まったく記憶がありません。

今回、手術の前の診察の前に、こんな誓約書を書かされました。

「私は医師XXXXが、保険診療の300%を請求することに同意します」

ちっとも同意したくなかったのですが、もう主治医から予約を入れてもらっているし、病気の疑いが、“ガン”ということは、こちらも金額よりはベストな治療を望んでしまい、仕方なく同意書にサインしました。

この時、医師が

「ギャップカバーに入っていますか」

と聞くではありませんか。

そうなんです。いざという時のために、何と、健康保険とは別に、この300%の差額をカバーする別個の保険まであるのですよね。これからもっと別の病気も出てくるかもしれないので、このギャップカバーのことももっと調べる必要がありそうです。

手術は、予め保険会社からの承認が必要なのですが、それは病院がきっちりと手続きをしてくれて、私は朝6時に病院に来い、ということでした。

さて、手術の日、朝6時から受付が始まり、私は手術の順番が最初で、実際に7時半にはもう手術室で麻酔をかけられていました。

麻酔医の「よい夢を!」という声を聞いて、次に気がついたのは、手術を終え、戻されていたベッドの上でした。

手術事態は45分ほどの時間で済んで、あとは、麻酔が回復し、ふらつきがなくなる頃、お昼前にはもう退院させられました。

手術は成功で、三週間後にまた診察の予約を取れ、と主治医に言われました。

さて、今回、まだ病院からの請求は来ていないのですが、執刀医から45分の手術費が約3万円、麻酔医からの請求が約2万円来ています。それぞれ、保険会社がその三分の1はもう支払っているようなので、私は彼らからの請求書が届き次第、残りの三分の二を支払うことになります。

この病院の費用は、手術室使用際代、看護士代、薬代、半日の病室使用量くらいでしょうか。この費用は多分一番高くて、5万円から8万円くらいでしょうね。これは全額保険が払ってくれるといいのですが……。

日本でも入院時の差額ベッドのこととか、自由診療の話は聞きますが、南アのこの医療事情とはやはりちょっと違いがありますよね。

ちなみに、南アでは、収入がないことを証明できれば、政府系の病院は無料で治療をしてくれます。が、交通事故にあったとしても、骨が折れていたとしても、意識があったりすると、順番待ちとなって、骨をつなげてもらったのは一ヶ月後だった、というようなことが日常茶飯事です。

お金のありがたみがつくづく身に染みる南アの医療事情です。
 
author : y-mineko
| - | comments(2) |

この記事に関するコメント
みねこさん
久しぶりのブログがいきなり病気の報告で驚いています。
どうぞくれぐれもお大事になさって下さい。
取り急ぎ、お見舞いまで。
kiki
| kiki | 2014/05/16 5:25 PM |
kiki 様

もうすっかり元気です!
ご心配おかけしました。

更新、もっとヒンパンにしますので、これからもよろしくお願いします。
| kiki 様 ←吉村峰子 | 2014/05/18 9:30 PM |
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吉村 峰子
writer
English & Japanese
language instructor
interpreter
(Japanese - English)