7月18日は特別な日 | 空の続きはアフリカ
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7月18日は特別な日

【2012.07.23 Monday 04:13
 7月18日は南アの元大統領、ネルソン・マンデラ氏のお誕生日です。

マンデラさんは南アでは、皆から“マディーバ”と愛称で呼ばれます。今年94歳。いまはほとんどメディアの前に現れませんが、きっとまだいろいろな世界の出来事に関わっているのではないか、と想像します。

いつまでも、いつまでも、100歳のお誕生日を過ぎても、元気でいて欲しいと思います。

さて、今年のマディーバの誕生日、私は、2010年のサッカーワールドカップ南ア大会のために建築されたダーバンの美しい モーゼスマビーダ球場 にいました。



英国のプレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドがプレシーズンの友好試合を南アで開催することになり、その最初の試合会場がこのダーバンにあるモーゼスマビーダ球場で行われました。

彼らの今夜の対戦相手は、南アのプレミアリーグのチーム、ダーバンが地元のAmaZulu。

実は、このチームに、私がジェネラルマネージャーを勤めているスポーツマネージメント会社に所属するリベリア人選手、デューリー・ジョンソン選手が参加することになり、この日までどたばたどたばたと準備を進めていたのでした。

ジョンソン選手は、リベリア出身ですが、奥さんがスウェーデン人で現在はスウェーデンの国籍を持っています。これまで、世界の様々なところでプロ選手活動をしてきています。

ただ、彼は、過去にある問題に巻き込まれたことがあり、今回、南アに新天地を求めて再出発することにしたのです。

私は失敗した人が立ち直りたい、と思うのであれば、何回でもチャンスを与えたいし、与えてあげて欲しいと思います。

このプロスポーツの世界に首を突っ込んで、いろいろな若い選手を見てきました。ちょっとしたころがきっかけで、せっかくの才能が生かせなくなるケースも見ました。

そういった選手の傍に、誰か一人支援する大人がいて、もう少し支えてあげれば別の展開があっただろうな、というようなケースも見ました。

ジョンソン選手も、心機一転、南アで大きな成功をして欲しいと思います。

でもですね、今回、ジョンソン選手の移動に関し、最終局面になって問題が起こりました。
彼はこのチームとの契約が整い、1週間の予定で、家族の待つスウェーデンに里帰りしていたのです。が、このマンチェスター・ユナイテッドとの試合のためにダーバンに戻ってこなくてはいけないのに、欧州全体がオリンピックやら夏の旅行シーズンにあたり、帰りの飛行機のチケットがまったく取れない、という事態になっていたのです。

そういうことであれば、その経過をこちらの事務所に連絡してくれればいいのに、それを受けていない私たち側は一瞬、不安になりました。

プロスポーツの世界は駆け引きです。

チームと継続して交渉していることもあるので、お互いが疑心暗鬼になってしまいがちです。

でも、そういう時の交渉は、責任者に直に聞いてみるのが一番の近道です。

そこで私は、このチームの関係者の名前と連絡先を睨んで、誰に連絡すればいいのか考えました。

私の目に留まったのが、最高責任者の名前でした。

そこで、彼の携帯電話に電話をして、どうしてたのかを聞いてみました。

すると、チケットの手配に手こずっている、と言う返事です。こちらとの契約などの駆け引きではなく、完全にこれは事務方の問題だということが判明しました。

そこで、私はこの最高責任者に、私もチケットを手配を始めてもいいかどうか確認を取りました。

すると、もう毎日、彼らの旅行業者とやり取りをしていて、とにかく座席が取れない、と伝えられている彼は、こういいました。

「たぶん、ダメだと思うけれど、あなたがしたいならやってみてください」

完全にあきらめて、腹を立てている状態でした。

私がこの交渉を始めたのが金曜日の夜5時です。通常の南アの旅行業者は業務をしていない時間です。

でも、私にはたとえ週末であったとしても、私の依頼ならば、気持ちよく動いてくれる旅行業者に強力な伝手があるのです。

この日の私の算段は、この最繁忙期でも、旅行前日の皆が営業を終えたタイミングであれば、キャンセルがきっと一つか二つ、出てくるのではないか、というものでした。

案の定、私が頼んだその5分後に、ビジネスクラスではあったものの、一つの座席がキャンセルになって、予約が確保できたのです。

そこで、予約を確保しつつ、先ほどの最高責任者に電話して、ビジネスクラスの座席が一つ確保できたことを伝えました。

彼は電話口で呆然として、しばし言葉がでてきません。

「値段は4倍ですが、これで手配してもいいですか」

と、私が促すと、

「も、もちろん!そのチケットを手放さないで!」

と叫びました。

後で聞いた話なのですが、私が手配し始めて、たったの15分くらいでチケットを確保したことが本当に信じられなかったそうです。

その後、チームのコーチや裏方の人たちとも話したのですが、結局、南アの多くのビジネスは、たとえ仕事が終わらなくても、終業時間が来れば帰宅してしまうので、仕事がいつでも中途半端になる確率が高いのです。

そうなると、仕事優先が骨身に叩き込まれている日本人の相手ではないのです。私が南アで超多忙に仕事に恵まれているのも、実はこんな背景があるのでしょうね。

それから、これは私が仕事をする上で大切にしていることなのですが、自分の周りに信頼できるネットワークを確保しておくこと。常にそういった相手との相互信頼の関係を保っていることがいろいろな危機的状況でどれだけ助けになるか計り知れません。

そして、あきらめない、ということ。

一回がダメでも、二回、三回、と交渉しつづけることできっと道は拓けてくるものです。

このAmaZuluの関係者一同、私のこの手配に感謝して、このマンチェスター・ユナイテッドの試合にVIP席での観戦を招待してくれました。

VIP席が嬉しいのは、それが球状のとってもいい位置にあるので、試合がよく見えること、それと美味しいお料理や飲み物が存分に用意されていて、とっても贅沢に試合が観戦できることです。

それに、モーゼスマビーダ球場のVIP席は、席が一般席の間にあるので、他の観客から隔離されているような雰囲気がないのも嬉しいのです。

そして、その当日、マンデラさんのお誕生日、試合の始まる前、5万人の観客が大きな声で、マンデラさんのお誕生日を祝いました。

♪Happy Birthday to you, Happy Birthday to you, Happy Birthday to Dear Madibak〜♪

さてこの日の試合、惜しくもAmaZuluは1:0で負けました。でも、なかなかいい試合でしたよ。得点には至らなかったものの、接戦の見ごたえのある内容でした。

そして、マンチェスターユナイテッドに新しく入団した日本人の香川選手も後半最後の5分ほど出場しました。彼がピッチに現れたとき、球場全体に割れるような拍手と歓声が響き渡りました。彼がこれほど南アでも注目されていることを目の当たりにして、とっても嬉しくなりました。


マンチェスターユナイテッドのサポーターが断然多いスタジオ。でも、地元のチームも応援して欲しいなぁ。

author : y-mineko
| - | comments(2) |

この記事に関するコメント
さすが!
先生が地球のどこにいても 活躍されているのを嬉しく思います。
先生のエネルギーに周りの人たちが 気持ちよく巻き込まれて…
私もガッツもらいましたよ~(^_^)
| 近藤美由紀 | 2012/07/23 9:06 AM |
美由紀さん、

きゃあああ、こんなにお返事が遅くなってしまいました!これにこりずにまた感想を書いてくださいね。

ガッツ!って懐かしいお言葉!
| 近藤美由紀さま←峰子 | 2012/08/31 5:48 AM |
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吉村 峰子
writer
English & Japanese
language instructor
interpreter
(Japanese - English)