ショウコのココロ、ショウコのカラダ | 空の続きはアフリカ
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ショウコのココロ、ショウコのカラダ

【2012.02.21 Tuesday 23:21

「お母さん、怒って、怒って、怒りすぎると、泣いちゃうよね!」
と激しい息遣いで娘のショウコから電話がかかってきた。

ちょっと穏やかではない様子。

まあ、いつもドラマチックなショウコなのだが、今日はいつも以上に興奮している。

で、
「どうしたの?」
と穏やか〜に、聞いてみた。

すると、彼女の説明にう〜んと唸ってしまった。

事の始まりは、南アフリカの高校で最終学年に行われるダンスパーティだ。

日本ではあまりないのかもしれないが、米国などでも高校の卒業直前にはフォーマルなダンスパーティがある。その日は、女の子たちはハリウッドのスターたちのようなロングドレス、男の子たちはタキシード、またはそれに順ずるフォーマルなスーツでカップルになってダンスや食事を楽しむのだ。

もちろん、カップルになっている子たちはカップルで行くのだが、そうでない子たちは、友人、兄弟姉妹の伝手を駆使し、その晩の相手を探してくる。

ショウコの高校は半分の生徒が寄宿生でしかも女子高なので、相手役のオトコノコの確保が大変なのでは?と思われるかもしれないが、そんな心配は一切なし。

ショウコさん、かの地では合唱団や演劇などで結構有名なオンナノコで、相手ははっきり言ってより取り見取りだそうな。

でも彼女はきっぱり、はっきりしていて、

「他の学校のオトコノコがマトリックダンスに一緒に行ってくれ、って誘うけど、ショウコは行かない。だって、何回もそんなとこしていたら、自分のときの感激が薄くなるでしょう?だから、よっぽどの場合じゃないと、招待は全部断っている」

と言う。

普通の17歳だったら、嬉しくて何回でも行くと思うのだが……。

まあ、その辺は彼女の彼女たるゆえんでもあるので、放っておくこととする。

で、問題は、私のこちらでの一番の親友のサリーの息子デイビッドが、ショウコを彼のマトリックダンスの相手に誘ったこと。

正直言って、デイビッドはおとなしいし消極的だし、いろいろな面で正反対の火の玉のようなショウコに“異性”として興味があるとはまったく思っていなかった。

まあ、そういう興味がなくても、ダンスの相手としてショウコを誘うとはなかなか彼としては勇気のいることだったのでは、と想像に難くない。

ショウコの最初のリアクション。

「ええ?どうして?いやだ。他の子を誘ってよ。デイビッドの学校の女の子たち、私嫌いなのよ!」

彼女はもともとデイビッドの通っている私立の高校の小学部に通っていたから、この学校のことはよく知っていて、そしてよく思っていない。

ショウコにそう言われただけで、半べソ?状態のデイビッド。

どうするのかなぁ?と母は余計なことを言わずに見守っておりましたよ〜。

するとショウコ、

「わかった!行く、行くから!」

と、彼がその場で泣くかも?という場面を何とか回避。

……やれやれ、母と娘、親子して、オトコの涙に弱いのだ。

でも、このとき、一抹の不安は私にあったのだ。嫌な予感?とでも言ったらいいのかもしれない。

はい、予感は的中しました。

なんと!デイビッド君、事もあろうに、FACEBOOK経由でショウコにメッセージを送ってきたのだ。

「ハイ!ショックス!お願いだからダンスの日に向けて、髪を伸ばして欲しい」

まず、ショックス、とは私が彼女を呼ぶときのニックネーム。

ショウコは、もうここで怒りがめらめら。

「いったいいつから!デイビッドは私のボーイフレンド気取りになって、お母さんが使う私のニックネームを使えるわけ????」

ごもっとも。

で、それよりももっと大きな問題は、彼が彼女に、彼女の髪の毛を伸ばしてくれ、と頼んだこと。

これはショウコにとって、ものすごい屈辱だそうだ。

彼女は泣きながら私にこう伝えた。

「私は私の考えで、自分のスタイルを決めたいの。誰のためでもない、私が一番こうしたい、と思う髪形、洋服、体の在り方がある。それをたとえ私にボーイフレンドがいたとしたって、彼が私にこうしろ、ああしろ、というなんて考えられない!私の体は、私の髪は、私の考え方は私自身のものだから!!!」

17歳のショウコが、こう訴えるのを聞いて、私は感動していた。

だって、多くのオンナノコたち、好きな男の子ができると、そのボーイフレンドたちの言うこを聞くことで、その子を自分に惹きつけたい、と思ってしまう場合が多いと思う。

とっても、とっても理解できるのだけれど、若いうちにこういうことをしてしまうと、人生がとんでもない方向に行ってしまうことがあるのだ。

まあ、もっともショウコのこの場合は、デイビッドは好きな彼、ではないけれど。

それでも、ここに教訓があるなぁ。

自分の心は、自分の体は、自分が責任を持つ、自分の納得する形で人生を送る、という矜持がないと、失敗したときなど、人にその原因を見つけようとする情けないことになってしまうのだ。

どんなときでも、どんな状況でも、自分の行く道は自分が責任を持つ、といういことを肝に銘じていると、たとえ失敗しても、その痛みは乗り越えられるものだもの。

でもね、デイビッドはこんな激しいショウコの反応をきっと期待していなかったのだと思う。

で、その対処法について、いろいろ話し合った。

私は、

「デイビッドには、私の髪は短い、それでもよかったら、ダンスに行きます」

ということを優しく伝えたらどうか、と提案。

私の友人の一人が同じようなことを提案、でも、彼の提案の中には私では考えられないようなオトコの視点が入っていた。

「……And I will look gorgeous in my short hair!」

これを翻訳すると、「そして短い髪の私はものすごくゴージャスに見えると思う!」

日本語になると、ちょっとニュアンスが違うが、まあ、この男性の視点に私は脱帽。

私の「優しく伝えなさい」に激しく抵抗していたショウコも、このラインが気にいったようで、Facebook でこのメッセージを意気揚々とデイビッド君に送ったようだった。

さあ、この顛末はまたの機会に!





author : y-mineko
| あんなこと、こんなこと | comments(8) |

この記事に関するコメント
「ショーコちゃん、大好き」と叫びたい私。
いいなあ、ショーコちゃん。

私たちには、ひとつひとつのことを、自分で決めて、決めたことに関しての結果に責任をもってもいい権利あり。

それにしても、続きが読みたい。
どういう結末がまっているのかしら!
| 谷澤 | 2012/02/28 7:26 PM |
ショウコちゃん最高に素敵!! 大好き!!!!
そして、彼女がこんなに素敵な女性に育っているのは、峰子さんを見ているからだね。
愛しくてたまりませんなあ。
| 葉 | 2012/03/05 1:37 PM |
久美子さん、

ありがとう!

そうなのよね。これって、私たちが幾千年のオンナの歴史の中で、やっと勝ち取ってきた権利なのよね。

続きが読みたい?ふふふ、そのうち、古レポートをしますからね、お楽しみに!
| 吉村峰子 | 2012/03/10 4:33 AM |
葉ちゃん、

ありがとう!

いえいえ、私なんかより、ショウコの方が潔いです。その剛健さには、母としてというよりも、女性として惚れ惚れします。もっともまだまだ小娘ですので、失敗も多々ですけれど!

いい時代になったよな、と彼女を見て、つくづく思います。で、ショウコ姫は、葉ちゃんにごっつうあこがれているようですよ〜!
| 葉ちゃん←峰子 | 2012/03/10 4:36 AM |
いつも吉村さんのすかっとした文章を楽しみにしています
それにもまして
お嬢さんのすかっとした
男らしい(すんません)様子に
読んでいるこちらも
すかっとしました!
世の中
ぐずぐず、はっきりしない人がおおいなぁと
いらっとすることの多いこのごろでしたが
まだまだ
捨てたものでもないかな
続き楽しみにしております

とってもキュートなショウコさんだなぁ
| mama | 2012/03/12 12:40 PM |
やっぱりね〜!
翔子ちゃんなら絶対そうよね。
でね、それって大切なのよね。

だって、翔子ちゃんはいつかの段階で、
自分が自分らしくいることの大切さを彼女が見つけ、
そうあるためにはときには葛藤もあり、
そして、強さも弱さも一緒にとりこんで歩んでるのよね、
なんだから、その翔子ちゃんの心意気、
翔子スタイルのランウェイ、応援します。

翔子ちゃんはアイナに似てるとこがあるから、
なんか気が入っちゃう。
| ai | 2012/03/29 6:47 AM |
MAMAさま、

コメントのお返しがこんなに遅くなってしまいました!ごめんなさい。ふふふ。ショウコって、本当にオトコらしい女の子です。お化粧とかも好きですけれど、確かに、すか!っとしています。

4月18日更新のカフェグローブにこのお話の続きを書きました。お読みくださいね。
| MAMAさま←吉村峰子 | 2012/04/18 4:05 PM |
愛ちゃん、

ははは!
わが道を行く!のショウコって、世界中に応援団がいるのよね。
本当に幸せな兄と妹です。
で、アイナと愛ちゃんはいつダーバンへ?
| 愛ちゃん←峰子 | 2012/04/18 4:07 PM |
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吉村 峰子
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