鼻の穴、発見! 【2010.09.26 Sunday 05:25】 |
あっという間に一人暮らしの時間が多くなってしまった。 去年母が亡くなり、父が日本へ帰り、今年稔が亡くなった。それだけで、大人マイナス3。 カンジは建築学部の学生で、大学のある時は、ほとんど大学のスタジオに泊まりこみで勉強中。週のうち、自宅のベッドで眠れるのは1日あるか2日あるか、というところ。 ショウコは月曜の朝から金曜、もしくは土曜の午後まで自宅から60キロほど離れた寄宿制の高校生。だから週の途中は家にはいない。 ほんの1年半前までは6人家族だったのに。私は、あれよあれよという間に、この大屋根のあるアフリカの茅葺の家で一人暮らしをすることになってしまったのだ。 ところが、今年の8月の後半から1カ月ほど、突然、若い夫婦と10カ月の赤ちゃんのお世話をすることになった。 幼い子どものいる暮らし、というものがこんなものだったのか、ということに改めて驚嘆。 毎日、毎日が彼女にとっては新たらしい発見の連続なのだ。それを見させてもらっている大人たち。ものすごく新鮮で感動してしまう。 しかも、この赤ちゃん、“メイちゃん”といいますが、笑いながら眠りから覚めるような、極めてご機嫌のよい赤ちゃんなのだ。 私は多くの子どもの周りで生きてきたから、子どもの顔をちょっとの時間見せてもらうだけで、不思議なくらい、その子の置かれている環境が想像できてしまう時がある。 寂しそうな子、欲求不満を抱えている子、大人の顔色をうかがっている子、極端に人見知りする子……。でも、そう、それぞれ、みんな理由があるのよね。赤ちゃんだって、幼い子だって、そう皆がいつも笑っていられない場合があるのよね。 もちろん、はずれることもあるけれど、一見しただけでは分からないこともあるけれど、でも、ココロが安定している子どもには、ココロが安定している親がついている場合が多いと思う。 そして、ココロが安定している、というのって、何も難しいことではなくて、きちんと赤ちゃんのルーティーンを尊重してあげて、その赤ちゃん時間をのんびりと一緒に過ごしている、といった単純なことでいいのかもしれない。 はい、このメイちゃん。 どんなときでもご機嫌で、ぐずる時は眠たいとき、お腹がすいたとき、くらいだ。メイちゃんのお母さん、リエさんは、明るくて、赤ちゃんのいる暮らしを心から楽しんでいることが分かる。 リエさんの安定感がそのままメイちゃんの笑顔につながっている。そして、リエさんの隣には、これまた赤ちゃんの暮らしを大らかに支えているノリさんというメイちゃんのお父さんがいる。 赤ちゃんが赤ちゃんらしいのって、なんて気持ちのいいことなんだろう、とメイちゃんを見ていてつくづく思う。 ダーバンのおばあちゃんとなった私はメイちゃんにメロメロ。かわいくて、かわいくて仕方がない。 このメイちゃん、もう本当に毎日の発見が楽しくて仕方がないようだ。 そして、今日の彼女の発見は、じゃじゃじゃじゃ〜ん! “鼻の穴!” あれれれれ?こんなところに、穴がある!!!! 指がはいっちゃうよ〜! と、彼女が思っているのが、手に取るように分かった。 そうだよね、こんなとこころに、指を入れたって、スプーンを入れたって、底がないような穴があったなんて、知らなかったよね。 でも、不思議だよね、みんなの顔の真ん中にもあるのよね! きゃ〜、峰子さんの鼻にも穴があるじゃありませんか! 「ちょっと指を入れてみますから、私……」 って、メイちゃんが言ったわけじゃないのだが、ふと、横を向いた隙に、その小さな奇跡としか思えないような完全な形をした小さな指が私の鼻の穴に侵入してきた。 きゃ〜、メイちゃん、くすぐったい! でも、おもしろいねぇ。 メイちゃんの前に広がる不思議に一緒にわくわくさせてもらって、本当に嬉しい。 |
author : y-mineko
|
| この人のこと、あの人のこと | comments(6) |
|